ジャック・ドーシーは、Twitterの創業者であり、その資産は1,000億円(Twitter社等の株価により変動)を超えており、フォーブス誌にも載る人物です。
さらに彼は、「Square」というビジネス向けにクレジットカード リーダーを提供する会社の創業者でもあります。
今回は、そんな2つの会社のCEOを務めるジャック・ドーシーがどんな人物なのか紹介します。
目次
ジャック・ドーシーが、Twitterを創業するまで
プログラミングとパンクが好きな少年
ジャック・ドーシーは1976年に生まれ、アメリカ・ミズーリ州で幼少期を過ごします。
8歳でマッキントッシュでパソコンに触れ、10歳の時にはIBMパソコンに精通し始めました。
14歳の時に自動車の交通システムについて興味を持つと、オープンソースで交通システムのソフトウェアの設計を行っていたとのこと。
驚くべきは、彼が14歳の時に設計した交通システムが、今なおタクシー会社の配車システムに使われているとのことです。
その後、ミズーリ工科大学からニューヨーク大学に進んだが、中退してしまいます。
ジャック・ドーシーは、パソコン好きで優れたプログラミング技能を有する人物であると同時に、音楽のパンクをこよなく愛する若者でした。
彼のことを良く知る友人は、ドーシーの最も優れた才能はプログラミングではなく、「社会の洞察」だと指摘していました。彼はアップルの求人広告から、次にリリースされる製品を正確に予測できたといいます。
Twitterのアイディアから実現に向けて
2000年、Webからタクシーや救急サービスを派遣するサービスの会社を始めました。そして、同年7月に、Twitterの原型となる「どこにいても自分の状況を知人に知らせたり、逆に知人の状況を把握できたりするサービス」の可能性に気付いたといいます。
その後、初めてインスタントメッセンジャーを目にした時、メッセンジャーユーザーの現在の状態を発信して、多人数と簡単かつ同時に共有できるサービスを思い付きました。
そこで、テキストコミュニケーションに関心があったOdeo社にコンタクトを取った結果、同社のビズ・ストーンとTwitterのプロトタイプを2週間程で作り上げることとなり、
TwitterのプロトタイプはOdeoのユーザーを魅了し、エヴァン・ウィリアムズからの投資を受けることに成功しました。
そして、2006年、エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーンらと共にObvious社(現Twitter社)を設立することとなったのです。
Twitter創業後~現在に至るまで
その後、大成功を収めるTwitterですが、その成功の裏には数々の思惑が渦巻いていました。
ジャックドーシーは、初代CEOになりますが、一度解任されており、現在再びCEOに復帰しています。そこで、初代CEOから解任まで、解任後のSquare設立からCEOに復帰するまでの2つに分けて紹介していきます。
Twitter社の初代CEO就任、そして解任
Twitter社の立ち上げとともに、CEOとなったジャック・ドーシー。
CEOとして2度の資金調達を成功させます。
しかしながら、当時のTwitterは、システムがダウンする事象が頻繁に起こっており、投資家らは、その脆弱なシステムが改善されないことに危機感を抱いていました。
さらに2008年に世界金融危機がおこったことで、投資家らはTwitter社の経営を不安視するようになりました。
そして、エヴァン・ウィリアムズにCEOの座を譲ることとなりました。
Square設立
CEO解任後の2009年2月には、ジャック・ドーシーは新たな会社を創業します。
iPhoneなどのスマートフォンをクレジットカード決済端末にするSquareというサービス(サービスの詳細は、記事後半を参照ください)を創業し、同社のCEOに就任した。
立ち上げたSquareは、その後急成長を遂げることとなります。
2012年にはスターバックスが2500万ドルを出資するとともに、米国内の7000店舗でSquareの決済サービスを導入しました。
そしてSquareは2015年に上場します。
また同年には、5年にわたってTwitter社のCEOを務めたディック・コストロが退任した結果、Twitter社のCEOに再び就任することとなりました。
Twitter社を追い出され、Squareを創業し、5年で上場させたジャック・ドーシーは、同じくアップル社を追い出されたジョブズと重ねて、「ジョブズの再来」とまで評されるほどの経営者となっていました。
二つの上場会社のCEOとなったジャック・ドーシーが、これからどのような経営を見せてくれるか大注目です(特に、失速気味のSquareの今)。
Squareのビジネスについて
ジャック・ドーシーが創業したもう一つの会社「Square」のビジネスについて解説していきます。
なお、「Square」はPOSレジによる顧客管理サービス等も実施していますが、ここでは、下記のようなICカードリーダーによるビジネスを、新しい決済手段の提供という観点から解説していきます。
ICカードリーダーとは
「ICカードリーダー」とは、スマートフォンやタブレットをクレジット決済端末に変える装置です。
洋服屋、携帯ショップや訪問販売等において、店員が商品を案内して、その場ですぐに決済することができるようになるビジネス(会社やお店向け)のサービスとなります。
例えば、ユニクロや携帯ショップ等で、店員が持っている端末でレジを通さず、そのままクレジットカード支払いができるメリットがあります。
特にレジを用意することが難しい、訪問販売・住宅修理・清掃サービス等において決済を手軽にしたサービスといえます。
また、コスト面でもレジを用意するよりも、クレジット決済だけに着目すれば、タブレットとこのリーダーがあればレジの代わりとなるので、コスト面でも優れているといえます。
「Square」が拡大した要因
決済を簡単にする画期的なサービスですが、実は「Square」がシェアを広げた要因の一つに、導入の事前審査を簡便にした点が挙げられます。
実はクレジットカード支払いの端末に関しては、セキュリティの観点から導入には厳しい審査があります。
しかしながら、「Square」はこの事前審査を、銀行口座や身分証明書等の最低限の要件に限定しました。
そのため、低コストで導入したい各種ビジネスに「Square」は拡大していくことになったのです。
もちろん、これは「Square」がセキュリティ面で課題があるということではありません。実は「Square」は事後審査を厳しく監視しており、通常の決済パターンからおかしな点があれば、すぐに決済をとめる方式を採用しており、きちんとセキュリティが備えられています。
このように、ジャック・ドーシーは、Twitterという便利なコミュニケーションツールだけでなく、私たちの支払いを便利にするサービスも創業して、お金持ちになっていたのです。