ジャンクボンドの帝王と呼ばれたお金持ち

ジャンクボンド(ジャンク債)という債券を知っていますか?

ジャンクボンドとは、低格付債券のことをいい、デフォルトリスク(債券を発行した企業等が倒産等する可能性)が高い代わりに、利回りの高い債券となります。

つまりハイリスク・ハイリターンの投資です。

今回は、そのジャンクボンドへの投資でお金持ちになった、マイケル・ミルケン氏について紹介します。

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ジャンクボンドとは

ジャンクボンドとは、別名「ハイイールド債」とも呼ばれ、信用格付けの低い、デフォルトリスク(債券を発行した企業等が倒産したり、元本償還や利払いの不能の可能性)の高い債券のことをいいます。

これは、スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)等の信用格付会社の格付けで「BB」以下の債券のことを一般的に指します。

(ムーディーズ社(Moody’s)の場合は、格付けで「Ba」以下)

上記のとおり、ジャンクボンドはリスクが高い反面、利回り(利率)が高くなっています。

つまり、ハイリスク・ハイリターンの投資となります。

債券市場においては、投資適格債(信用リスクが低い債券)に比べて信用リスクが高い分、利回り(リスクプレミアム)も高くなりますが、デフォルト率などを考慮した理論価格よりも安く購入できる傾向があります。

→つまり、安い価格で購入でき、高い利子が入手できるものが多いことになります。

このような特色に着目して、複数の銘柄でポートフォリオを組んで運用すれば、高いリスクも分散されて、高いリターンが得られるという発想の投資戦略もとられています。

この場合、いくつかの銘柄はデフォルトされることも見込み、そのリスクに見合ったリターンが十分に得られると判断されるポートフォリオを組んで、高いパフォーマンスを狙う運用手法も採用されています。

日本の場合、1996年以降、適債基準が撤廃されたため、信用格付けの低い中南米や東欧の円建て外債の債券が発行されました。

また、日本国内の社債などでは、発行後に投資不適格となった例はありますが、最初からジャンクボンドとして発行された例は基本的にありません。

ジャンクボンド投資でお金持ちとなったミルケン

上記の通り、リスクの高い代わりに利回りも十分に高いので、複数の債券に分散投資することで、リスクを抑制しながら高いリターンを得られることに着目した人物がいました。

それが後に、ジャンクボンドの帝王と呼ばれるマイケル・ミルケン氏です。

また、マイケル・ミルケン氏はジャンクボンドで巨額の利益を上げるだけでなく、買収先の企業を担保にした債権を発行することで、企業買収の資金を調達して、企業買収を実現するLBOという手法を開発し、M&Aブームをまきおこしました。

彼が務めていたドレクセル・バーナム・ランバートは弱小投資銀行だったのですが、マイケル・ミルケン氏の活躍で売上第1位にまで躍進します。

そして、ミルケン自身もウォール街の帝王と呼ばれるほどになり、巨万の富を築きました。

映画「ウォール街」のゲッコーは、このマイケル・ミルケン氏がモデルの一人でないかと言われています。

マイケル・ミルケン氏は、その後インサイダー取引や脱税のほう助等の罪で逮捕され、その余波で勤め先のドレクセルも倒産に陥りました。

マイケル・ミルケン氏は、新しい市場を創出した革命児で金融のダイナミズムを体現する人物とみることも、巨額の資金を振り回し、世間とは桁外れの報酬を稼ぎ、最後は法律ま無視した悪徳の象徴とみることもできます。

ただ、マイケル・ミルケン氏が金融の歴史に名を残したことに疑いはありません。

なお、マイケル・ミルケン氏は、後はM&Aアドバイザーとして奇跡的な復活を遂げ、また慈善活動家としても活動しました。

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