ビジネスモデル(基礎編①) ~基本パターンの解説~

会社等が収益を生み出す仕組み、いわゆる「ビジネスモデル」。
世の中にはたくさんの会社があり、無数のビジネスモデルがあるように思えますが、実は基本的なパターンが存在します。

革新的で斬新なビジネスモデルを生み出そうとしている場合、まずは基本的な型をおさえ、それらを発展・組み合わせてみることが重要です。

そこで、9個の基本的なビジネスモデルについて、そのモデルで成功するために必要な要素・具体例とともに解説していきます。
(複数のビジネスモデル解説書を基に、モデルの型をまとめた記事となります)

①では目次の3個を解説。残り6個は以下を参照ください

基礎編②(広告、フリーミアム、プラットフォーム)

基礎編③(金融、メンテナンス、ライセンス)

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商品・サービス販売モデル

商品・サービス販売モデルのイメージ

解説

おそらく、誰もが知る最も本的な型。
商品・サービスを開発して、それを小売業やユーザー(商品・サービスを使用する個人・法人)に販売して、その対価を受け取り収益をあげるビジネスモデル

なお、どんなビジネスモデルも突き詰めていくと、このモデルに整理することが可能。
(例えば、後に解説する広告モデルも広告というサービスを販売していると考えることも可能)

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、ユーザーに対して魅力的な商品・サービスを生み出せるかが最も重要です。

また、人気となった商品・サービスは模倣される可能性も高く、ビジネスを継続していくには、トレンドに沿った商品・サービスの改良やブランドイメージの確立が必要となります。

販売を小売業者に任せる場合は、小売業者とのネットワーク構築が必要となり、ユーザー(法人)に販売する場合は、ビジネス的なつながり(品質・信用に加え価格)が重要です。

ユーザー(個人)に対して直接販売する場合は、直売店(および販売員)やネットショップの整備が必要になるとともに、ユーザーからアクセスしてもらうための各種広告が必要かつ重要です。

具体例(販売モデル)

  • マクドナルドが顧客に対してハンバーガー(商品)を100円で販売して、100円を得る
    ※下図のように、ハンバーガーのような商品を販売するためには、多くの販売モデルがつながっています。
イメージ図

具体例イメージ

  • ゲーム会社がアプリ(サービス)を500円でユーザーに販売して、500円を得る

代行モデル

代行モデルイメージ

解説

会社等が業務を遂行するための設備や専門知識等を持たない、または用意することが困難なものについて、設備や専門知識をもつ者が代行して、その対価を受け取り収益をあげるビジネスモデル

例えば、商品を遠隔地に届けるために、自社でトラック(および運転手)を用意することは、時間を含むコストの面から困難なことが多い。
そこで、商品を遠隔地に届ける業務を、トラック等の設備を持つ運送業者が代行するケース等がこのモデルに該当します。

コンサル業や、税理士や弁護士といった士業はこれに該当する。
また、サラリーマンは会社の業務を代行しているといえるので、個人単位でみると、サラリーマンも代行業務をしていると整理も可能。

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、事業会社が必要としているが資源を持たない分野にいかに切り込んでいけるかが重要です。

そのためには、技術発展や社会情勢の変化を見極めながら、会社が今後必要とするであろう分野に対する専門知識を高めていく(または設備等の資源を確保していく)ことが必要となります

昨今で言うと、AI導入事例増加に伴うAIの専門知識や、人口減少に伴う高齢者人材の確保といったものが考えられます。

代行モデルの営業にあたっては、自社でできないことを任せるに足りるだけの専門知識等を持っていることを示す実績が必要となります。

「各種メディアで紹介を受ける」、「大きな会社の代行業務を担う」、「代行業務の経験」といった実績を獲得するまでが大変なビジネスモデルです。

具体例(代行モデル)

  • ヤマト運輸が、パソコンメーカーが販売したパソコンを遠隔地に住む顧客に届け、運送代を得る
  • 弁護士が、会社が締結する契約書の法的なチェックを行い、報酬を得る

小売モデル

小売モデルイメージ

解説

商品やサービスを仕入れ、実際のユーザーに販売し、手数料を対価として受け取り収益をあげるビジネスモデル

商品・サービス開発会社から見ると、ユーザーへの販売という業務を代行しているともいえ、代行モデルの一種とも整理可能。

スーパーマーケットをはじめとした各種販売店がこのビジネスモデルに該当する。私たちが商品を直接買う場でもあるため、私たちの生活となじみ深いビジネスモデルです。

「(ユーザーへの販売価格)-(商品・サービスの仕入れ価格)=(販売手数料)」がこのビジネスモデルの収益となります。

一見ユーザーが直接買うほうが安く買えるように見えるが、開発会社が商品・サービスを個々のユーザーに販売することは、人件費や郵送費等の費用が増大し、結局ユーザーは高値で買わなければいけなくなることも多くなります。

そのため、小売業がまとめて商品を買い、ユーザーがアクセスしやすいが場所で販売することで、開発会社が直接販売するよりもユーザーの利益となることも多い。
最近では保険の窓口販売といったサービスの小売業も増えてきています。

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、販売する商品に興味があるユーザーをいかに集めることができるかが重要となります。

大きな販売戦略としては、

  1. 商品の安さ(大量仕入れ等の仕入れの工夫、低い手数料等)で、ユーザーを集めて販売する方法
  2. 商品購入後のサポート充実等、販売店のサービスをアピールして、ユーザーに販売する方法

前者の戦略を実施するには、利益を出すためには一定以上の販売量が必要となるため、基本的に大手の小売業がよくとる戦略です。
後者の戦略を実施するには、販売する商品に対する深い知識が必要であったり、接客技術等を取得する必要となります。うまくいけば、固定客の獲得につながるため、息の長いビジネスにつなげることができる。

また上記の戦略に加え、ユーザーからアクセスが容易かは重要な要素となる。そのため、小売業を行う場合は、人が集まることが容易な場所か十分に調査する必要がある。
近年では、アマゾンのように、インターネットを販売の場とするケースもある。

具体例(小売モデル)

  • イオンが、お菓子メーカーから仕入れたお菓子を顧客に販売して、売買代金を得る
  • 保険代理店が、生命保険会社が開発した生命保険を顧客に販売して、販売手数料を得る

残りのビジネスモデルの型はコチラ

基礎編②(広告、フリーミアム、プラットフォーム)

基礎編③(金融、メンテナンス、ライセンス)

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