スティーブ・ジョブズで有名なアップル社ですが、「iphone」・「iPod」といった優れたデザインを誇る商品の販売が主な収益源となっています。
今回は、「逆替え刃モデル」とも呼ばれるアップル社のビジネスモデル(儲け方)について解説します。
iPhoneの顧客価値 ~アップル社の商品の特徴~
「iphone」は比較的に高額なガジェットと言えます。
ただ、その額に見合った価値を提供してくれています。
「iphone」が顧客に提供している価値は、主に以下のものとなります
- 優れたデザイン
- シンプルで使いやすい操作性
- 様々なアプリが使用可能
(自社および他社から提供される豊富なコンテンツ)
例えば、「iphone」を購入すれば、アップル社の「iTunes store」といった音楽サイトはもちろん、他社が「iphone」向けに作成した便利なアプリを使用することができます。
アップル社のビジネスモデル
アップル社の収益源の多くを占めるのは、ハード販売、つまり、「iphone」や「iMac」等の販売からの利益となります。
実は、アップル社は「iTunes store」等の魅力的なサービスをわざと安価に提供しています。
そのため、そうしたサービスからの利益は少なくなっています。
では、なぜアップル社は、「iTunes store」等の魅力的なサービスを安価に提供しているのでしょうか?
もうお分かりだと思いますが、「iphone」等のハードを売るためです。
「iphone」と同じ性能(またはそれ以上の性能)で安価で販売されているスマートフォンは多くあります。
それでも、高額な「iphone」が売れるのは、「iphone」が優れたデザイン・操作性を有しているからでもありますが、それ以上に優れた様々なサービスを利用できるからです。
(実際、「iphone」しか使用できないアプリ、または、「iphone」向けに先行公開されるアプリが多数あります)
逆替え刃モデルとは
上記のように、ハードの付加価値(魅力)を高めるソフト(サービス)を安く売り、高値のハードを売り上げて稼ぐ方法(ビジネスモデル)を、「逆替え刃モデル」いいます。
逆替え刃モデルという名称は、替え刃モデルとは逆の稼ぎ方であることからきています。
では、替え刃モデルとは、どのようなビジネスモデルなのでしょうか
替え刃モデル
替え刃モデルとは、性能の高いカミソリを安価で売ったうえ、そのカミソリ専用の替え刃をそこそこの値段で継続的に販売することで利益をあげるビジネスモデルです。
ジレットというカミソリを聞いたことがあると思いますが、替え刃モデルは、キング・C・ジレットが始めた販売手法です。
キング・C・ジレットが替え刃モデルを生み出した経緯については、以下の記事ご覧ください。
替え刃モデルのポイントは、消耗品が必要な(本来高額であるはずの)本体を安価で提供する代わりに、その本体専用の消耗品を継続的に販売し続けることです。
替え刃モデルは、カミソリだけでなく、
- プリンター本体を安価で売り、専用のインクカートリッジを継続的に販売
- コーヒーマシーン本体を安価で売り、専用のコーヒーカプセルを継続的に販売
といった領域でも使われている販売方法です。
まとめ
「iphone」が人気な理由は、
優れたデザイン・操作性はもちろん、安価で価値が高いサービスを利用できること
です。
アップル社のビジネスモデルは、
アップル社の商品専用サービスを充実させるととともに、それを安価に提供することで、商品本体の価値を高め、商品本体を比較的高値で販売すること
です。
いかがでしたか、アップル社が他と違うのは、利益率の高いハードをただ販売するだけでなく、周辺サービスを充実させて、ハードの価値を高め売りやすくしたことです。
商品が、本体と消耗品・(本体を支える)サービスに分かれているものがあれば、(逆)替え刃モデルといったビジネスモデルが採用できないか考えてみるのもいいでしょう。