新しいビジネス(新規事業)の立ち上げプロジェクトに関わりたい人や、将来の起業に向けて、企業で新規事業の立ち上げ等の経験をしたいと思っている人は多いのではないでしょうか?
しかし、大企業での新規事業の立ち上げと、ベンチャー企業のそれとは性質が大きく異なっています。そこで、今回はその違いについてまとめてみました。
目次
大企業とベンチャー企業の違い
大企業での新規事業
新規事業を始めたばかりの時期の売上は、既にある本業と比べると非常に小さいことが多く、そうした場合、従来からある評価基準で判断されると、新規事業が過小評価され、最悪の場合は撤退となるケースもある。
また、本業のほうで儲けがそれなりに出ているのであれば、リスクをとるこに消極的になり、社内の反対派の意見も抑えなければならず、何かと障害が多いのが特徴です。
ただ、資源(モノ、カネ、ヒト)が揃っているため(用意されていることも多い)、そうした資源獲得に力を割く必要がないことはメリットと言えます。
また、会社の知名度があれば、新規事業であれ顧客からの信頼を勝ち取りやすいといえます。
社内からの反対意見等は受けやすいものの、一度の失敗で資源が尽きるといった事態もなく、反対派さえ押されることができれば、新規事業が軌道に乗るまで長いスパンをかけることも可能です。
ベンチャー企業での新規事業
一方、ベンチャー企業では、本業という概念が基本的になく、またあったとしても新規事業と比べ圧倒的な規模の差があるものでもないため、大企業と違い、社内で新規事業が過小評価れる可能性は低いと言えます。
また、大企業と比べるとチャレンジ精神にあふれる人が多いため、社内での反対意見も出にくいです。
ただし、財政的な面で、新規事業が撤退に追い込まれる可能性は大企業よりも高いと言えます。
なぜなら、ベンチャー企業は収益が安定しておらず、より力を注ぐべき事業が他にある場合はそちらへの資金投資が優先され、結果としてほかの新規事業に資金が投入されない可能性もあります。
また、ヒトの数も限られているため、優秀な人材を確保することに労力が割かれる可能性も高いといえます。
新規事業を成功させるには
大企業で新規事業を成功させるには
上述のとおり、大企業で新規事業を成功させるには、従来と異なる評価と社内の反対の声を抑え、長期的な視点で事業を見守る必要があります。
そのためには、経営トップの強いコミットによる、独立した組織の組成やチャレンジを奨励する人事制度改革といった等が必要となります。
そこで、大企業で新規事業にチャレンジしたいと思う方は、大企業の経営陣がそうしたチャレンジングな制度にコミットしているか等をチェックし、そうした大企業に就職・転職することをお勧めします。
ベンチャー企業で新規事業を成功させるには
一方、ベンチャー企業で新規事業を成功させるためには、上述のとおり、自身の参加するプロジェクトに資源を割いてもらう必要があるため、以下のどちらかであるベンチャー企業のほうがより望ましいと言えます。
- 立ち上げた事業が軌道にのり、事業拡大に向けて動き出しているベンチャー企業
- ベンチャー企業の立ち上げ時から参加
ベンチャー企業で新規事業にチャレンジしたいと思う方は、新しい事業を始めようとする(ることができる)タイミングであるベンチャー企業に就職・転職することをお勧めします。
まとめ
◆大企業での新規事業
【メリット】
- 資源(ヒト、モノ、カネ)が豊富
- 知名度があり、顧客や協力企業からの信頼を勝ち取りやすい
【デメリット】
- 既存事業が大きく、従来と同じ評価が行われると、新規事業が過小評価される可能性が高い
- 新しい事業に対する社内からの反対の声が比較的多い
◆ベンチャー企業での新規事業
【メリット】
- 新規事業が過小評価される可能性は低い
- 社内からの反対の声が比較的少ない
【デメリット】
- 資源の不足
- シビアな採算性