【マーケティング基礎】昨今のマーケティングのトレンド

インターネットの急速な普及に伴うインターネット上での購買行動の分析、環境意識等の高まりによる環境・資源的観点からの企業マーケティングの必要性等、マーケティングで考慮すべき要素も変化し、従来の「生産・製品志向」・「販売志向」から、「顧客志向」・「社会志向」が中心となっています。

今回は、「顧客志向」・「社会志向」といった昨今のマーケティングにおけるトレンドを解説します。

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顧客志向の新しい展開

情報技術を活用して、顧客一人一人の取引履歴や属性(年齢、性別、家族構成、収入等)や関心毎といった情報を、パソコンや携帯電話(スマホ)等から簡単に収集できるようになり、またデータベース化することが容易になってきました。

これらの顧客データベースや購買履歴から得られた情報を活かした顧客売上の掘り起こし(データマイニング)が企業にとって非常に重要となってきています。

データマイニング活用によって、企業はより効率的な販売戦略やプロ―モーション戦略を行うことができ、また製品やサービス販売後においても、顧客と良好な関係を継続させることが可能となってきております。

データマイニングを利用したマーケティング例(STP戦略)

上記のデータマイニングがどのようにマーケティングに活かされているか、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)戦略を基に説明します。

なお、STP戦略とは、「市場をいくつかに細分化して(セグメンテーション)、その中から自社の製品・サービスを販売するのにふさわしい顧客層を設定し(ターゲティング)、その層に対する自社の強みやブランドを確立する(ポジショニング)」戦略です。

顧客の属性情報(年齢、性別、家族構成、収入等)から、顧客を年齢・性別などからセグメンテーションしたうえ、データマイニングで判明した顧客の購買履歴・購買行動から、自社の製品・サービスを必要とする顧客層をどこか分析し設定します(ターゲティング)。

そのうえで、データマイニングで判明した「設定した顧客層」の関心毎や購買行動から、より自社の製品・サービスを選択してもらえるように、製品・サービスの改良、販売方法の改善を図り、自社のブランドを確立(ポジショニング)します。

上述のとおり、データマイニングで顧客のことをより深く知ることができれば、そうした顧客情報をもとに、より効率的な製品・サービスの開発・改良、販売戦略を採用することができます。

社会志向のマーケティングとは

1990年代から企業の社会的貢献が喧伝されはじめ、メセナ(文化・芸術支援活動)やフィランソロピー(社会貢献活動)から、CSR(corporate social responsibility)へと進展し、最近では「持続可能な社会」の実現が企業経営においても重要な要素となってきています。

マーケティング分野でも、環境問題、貧困、食糧不足等の世界的な社会問題から過疎化・高齢化等の地元地域の問題まで広く戦略的に捉え、問題解決に向けた取組を組み入れることが重要となってきています。

社会志向のマーケティングを行うことで、企業のブランド構築、ポジショニングの強化が図れ、売上増加や市場アップといった企業価値向上につながるとされています

著名なコトラーは、社会的責任マーケティングを義務的視点から戦略的視点に昇華させ、企業が社会的責任を果たすため、以下の6つの戦略に体系化しました。

  1. コーズ(主張)・プロ―モーション
    社会問題に対する意識や関心を高めるための活動
  2. コーズ・リレーテッド・マーケティング
    社会問題に対する改善策と企業の製品・サービスを関連付ける活動
  3. ソーシャル・マーケティング
    人々が社会問題を改善するための行動をとるよう動機づける活動
  4. コーポレート・フィランソロピー
    慈善団体等へ寄付する活動
  5. 地域ボランティア
    地元地域コミュニティの活性化や課題解決に向けた活動
  6. 社会的責任に基づく事業の実践
    社会問題に対する解決を目的とした事業・投資活動(他戦略よりも大きな視点で)

社会志向のマーケティングを学ぶために役立つ本

コトラーの社会的責任マーケティングをもっと詳しく知りたい方は、上記の本をぜひ読んでみて下さい。社会志向のマーケティング戦略を考えるうえで、大変役に立つ本となっています。

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