女性起業家① ~データで見る人数や割合、起業分野の特徴は?~

スポンサーリンク

データで見る起業家数と女性起業家の割合

そもそも、日本で起業している人ってどのくらいいるの?

(出典)中小企業庁 中小企業白書2014版 【起業家数の推移】

上のグラフは、中小企業庁が調査した「起業家数の推移」(右の黄色棒グラフ)と「起業希望者の推移」(左側の棒グラフ)です。

起業希望者は、1997年以降、減少傾向にあり、2007年に激減している。スタートアップ等の言葉もよく聞くようになるとともに、ITの進化により起業のハードルは下がっているように見えて、実は起業希望者は減少しているのが現状です。

一方で、起業家数自体は微減に留まっています。緩やかな減少傾向にはありますが、廃業する起業家もいることを踏まえると、毎年一定以上の起業家が一貫して誕生している状況とのことです。

すなわち、起業希望者は大きく減少する一方で、起業家数は起業希望者ほど大きく減少していないということは、起業を魅力的に考える人は減ったものの、本気で起業を目指し、実際に起業する人の数はそこまで減少していないと言えます。

ちなみに後述の起業家の女性の割合から、

日本の女性起業家の数=約6.8万人(2012年時点)

といえます。

そのうち女性の割合は?

(出典)中小企業庁 中小企業白書2014版 【起業家の性別割合】

上のグラフは、中小企業庁が調査した、起業家および起業希望者の性別構成の推移です。

日本の女性起業家の性別割合=30.3%(2012年時点)

2000年以前は、女性は起業希望者に対して、実際の起業家の割合が高くなっていました。つまり、以前は女性の起業希望者は実際に起業する人が多かったと言えます。

しかしながら、2000年以降は起業家の女性が占める割合が減少しており、逆に起業希望者の女性が占める割合が増加しています。

つまり、起業に踏み切れない女性が増加したといえます。

では、女性の起業希望者が企業に踏み切れない理由は何か、下の中小企業庁の調査結果を基に分析していきたいと思います。

(出典)中小企業庁 中小企業白書2014版 【企業に踏み切れない理由】

起業を踏み切れない理由(女性は緑色のグラフ)として、女性の割合が多かったのは、

『収入、やりがい、プライベートの面で現状に満足している』(左から1番目)、

『自分の「やりたいこと」をどうしたら事業家できかが分からない』(右から5番目)

といった回答でした。

特に『自分の「やりたいこと」をどうしたら事業家できかが分からない』は、他と比べて女性の比率が高く、女性起業希望者が特に問題としている理由ともいえます。

後述しますが、女性の起業分野の特徴として、生活に根ざした分野が多く、事業のアイデアはあるものの、それをどのように事業化するかが起業におけるボトルネックの一つになっているものと推測することができます。

こうした女性の起業希望者を起業に踏み切ってもらうためには、事業化に向けた相談体制や、事業化する方法を手助けするセミナー等が求められています。

女性起業家の起業分野の特徴

女性起業家はどんな分野で起業しているの?

下のグラフは、中小企業庁がまとめた「性別及び年齢別の起業分野」のデータです。

(出典)中小企業庁 中小企業白書2014版 【性別及び年齢別の起業分野】

女性の特徴としては、以下の分野での起業割合が多くなっています。

  • 男性と比べて子育てや介護等、生活のニーズに根ざした「生活関連サービス業,娯楽業」
  • 趣味や前職で特技等を活かした「教育,学習支援業」
  • 女性目線で女性向け商品の販売等を行う「卸売業、小売業」

女性起業家はどんな形態で起業しているの?

以下のグラフは、性別等によって、起業形態(自営業か会社設立)に違いがあるか調査したデータとなります。

(出典)中小企業庁 中小企業白書2014版 【起業の形態】

全体として、個人事業者として起業する者が7割超となっています。女性の特徴的な傾向としては、女性においては個人事業者を選択する傾向があります。

会社でなく、個人事業主を選択する割合が相対的に高い理由としては、「主婦等の職務経験が少ない者は、生活に根ざした分野で個人の技能で起業する者も多く、そうした場合、会社という仕組みを採用するメリットがないことも多いため」と分析されています。

まとめ (今後の女性起業家の展望)

まとめ

データで見た日本の女性起業家の数・割合と起業分野をまとめると以下となります(2012年の調査データベース)

◆女性起業家の数=約6.8万人 減少傾向

◆女性起業家の性別割合=30.3%

『自分の「やりたいこと」をどうしたら事業家できかが分からない』として、起業に踏み切れない女性起業希望者が多い

◆女性起業家に多い起業分野は、「生活関連サービス業,娯楽業」、「教育,学習支援業」「卸売業、小売業」といった分野

今後の展望

まずは、女性起業希望者を起業に踏み切ってもらうために、事業化に向けた相談体制や、事業化する方法を手助けするセミナー等が求められています。

政府も上記の課題認識は持っており、女性の創業等を支援するため、日本政策金融公庫等での起業教育の充実を図ることで、女性起業家の起業マインド向上を促進するとしています。

例えば、女性起業家が身近に経営相談を持ち掛けられるようにするため、日本政策金融公庫等の相談窓口や、地域の起業経験者、起業支援専門人材等のネットワークの構築等、女性の起業支援体制を強化する取組が進められています。

また、個人的な意見としては、女性起業家に多い起業分野については引き続き支援を続けるとともに、更なるイノベーションを生み出すためには、女性の活躍が少なかった分野への取組みや環境整備等を推進することが重要であると思われます。

女性起業家の更なる活躍に向けて、今後も当サイトは起業家の役に立つ情報を発信していきたいと思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク