大学生が起業する等、若い世代の起業が大いにニュースとなる中、また最近では、シニアによるセカンドライフの起業も注目を集めています。
しかし、実際のところ、これらの世代の起業は多くなっているのか、中小企業庁が調査したデータを基に解説したいと思います。
目次
データで見る起業家の世代
まずは、起業家の年齢層の割合を示したデータがあるので、そこから何がいえるか解説していきます。
年齢層別 起業家の割合
上の調査結果から言えることは、大きく3つあるといえます。
- 29歳以下の起業家(起業希望者も含む)は1990年以前が多く、現在ではかなり減っているのが現状であること
- 30歳代~40歳代の割合が大きいという傾向は昔から継続していること
- 2000年以降、60歳以上の割合が大きく増加していること
データで見るとはっきりとわかりますが、若い起業家の割合は減っており、逆にシニアの起業家は増えています。
(2017、2012年のデータでは、割合が一番大きくなっています)
若い起業家とシニア起業家の人数は?
起業家の人数は、年代毎に上記の調査結果が得られています。
右の黄色棒グラフが「起業家数の推移」となり、左側の黄緑色棒グラフが「起業希望者の推移」となります。
起業家の人数は、緩やかな減少傾向にはありますが、廃業する起業家もいることを踏まえると、毎年一定以上の起業家が一貫して誕生している状況といえます。
2012年の起業家人数から上述の年齢層の割合を掛け合わせると、各年齢層の起業家人数は概ね以下となります。
(計算式)2012年起業家人数22.3万人×年齢層の割合
29歳以下:2.7万人
30歳代 :5.3万人
40歳代 :3.9万人
50歳代 :3.2万人
60歳以上:7.2万人
少子高齢化の影響もあるかもしれませんが、29歳代の起業家人数は皆さんの予想よりも少なかったのではないでしょうか。
また、今後はセカンドライフ起業といった形での経験豊かなシニア起業家が増加する傾向にあると言えます。
若い起業家とシニア起業家の起業分野
以下のグラフは、起業分野が年齢ごとにどのような特徴があるか調査したデータとなります。
上記のグラフから、60歳以上の起業家については、それまでの経験・職歴を活かした「経営コンサルタント」や「営業代行」といった「サービス業」の割合が40%近く占めており、最も高くなっています。
一方で、29歳以下の起業家は、様々な分野で起業しており、色々な可能性を示してくれております。特徴的な傾向としては、ITベンチャーに代表される「情報通信業」の割合が他の世代に比べ高くなっており、進展著しいITへの対応力が高いことを示しているといえます。
まとめ
起業家が何歳で起業するのか、データからは以下の結果となっています(2012年の調査データベース)。
◆若い世代(29歳以下)の起業は減少しており、意外と少ない。
◆30歳代に起業する人が多い(40歳代、50歳代と比べ)
◆ただし、一番多いのは60歳以上で起業する人、また増加傾向にある
今後の展望
今後は、会社を退職した経験豊富なシニアが起業し、少子高齢化に伴う労働者不足に悩む企業相手に、ビジネスを展開するということが一般的になるかもしれません。
シニアになってもチャレンジ精神豊富に起業することは、きっと充実したセカンドライフをもたらしてくれると思います。
そんな経験豊かなシニアが起業する中、若い年代の起業家は、IT等の新しいサービスへの柔軟な対応力を武器に、よりよい社会とするために起業を目指す人が多くなることを期待しております。
このサイトも、そうした人を応援できるよう、今後も起業の参考となる「お金持ちの発想(知恵)」を発信していきます。