マーケティングの基礎として、その前提となる消費者行動に関して、有名な3つの分析を紹介します。
目次
商品を売るためには、消費者の行動分析が必要
商品・サービスを売るために、市場分析や顧客価値の創造(いわゆるマーケティング)が必要となります。
しかし、マーケティングにおいて、最初に押さえておかなければならないことが、マーケティングの対象である消費者が商品・サービスを購入するまでにどのような行動をとるか分析することです。
そこで今回は、以下の3つの有名な「消費者の行動分析」について紹介します。
- マズローの要求5段階説
- コトラーの購買決定プロセス
- AIDMAの法則
マズローの要求5段階説
マズローは、人間の欲求(ニーズ)には序列があり、段階ごとに求めるものが欲求が高度化してくと説明しています。
具体的には、
⓵衣食住を満たしたい(生理的欲求)
↓
②身を守りたい(安全の欲求)
↓
③人と同じようにしたい(帰属と愛の欲求)
↓
④尊敬されたい(自己尊厳欲求)
↓
⑤人生を充実させたい(自己実現欲求)
マーケティングにおいては、消費者のどの欲求を捉えて、しかるべき時に対象とした欲求を満たすか考えることが重要である。
コトラーの購買決定プロセス
コトラーは、消費者が購入を決定するプロセスを5段階に分けて説明しました。
- 問題認識
- 情報探索
- 代替品の評価
- 購買決定
- 購買後の行動
1~5までのプロセス詳細は以下の通りです。
第1段階:問題認識
この段階では、内部刺激(空腹等)や外部刺激(CM等)によりニーズが引き起こされ、消費者が問題やニーズを認識する段階。
消費者は、商品・サービスに対する興味や関心が生まれる段階となります。
第2段階:情報探索
この段階では、消費者は、認識した商品・サービスについて、情報を集め、自身の問題認識を解決してくれるものか確かめる作業を行うこととなります。
第3段階:代替製品の評価
この段階では、情報を集めた消費者がその問題認識を満たす商品・サービス群から、更に商品スペックなどの比較項目を絞り込み、その項目の優先順位を決定し、商品・サービスの順位付けを総合的に行います。
第4段階:購買決定
この段階では、第3段階で概ね購入する商品・サービスを決定してから、他人の評価による動機付け等を行い、購入するかどうかを最終的に決定します。
第5段階:購買後の行動
この段階では、消費者は、購入した商品・サービスの評価を行い、再度購入するか、他人に薦めることができるか決定します。
AIDMAの法則
AIDMA(アイドマ)の法則とは、消費者が実際に買うまでの購買行動を5つに分けて説明する消費者行動分析です。
具体的には、
Attention(注目)
Interest(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
上述の5つのそれぞれの頭文字をとって、「AIDMA(アイドマ)の法則」と呼ばれています。
この法則によると、消費者の行動は「まず注目を得て⇒ 興味を持ち ⇒ 欲しいと感じて ⇒ 商品を記憶し⇒ 購入する」という流れを辿るとしています。
AIDMAの法則では、「認知(A)」「感情(I、D、M)」「行動(A)」の3つの段階に分かれるとしています。
認知段階
- Attention(注目)
商品・サービスを購入してもらうには、まず消費者に認知してもらうことが必要です。
認知段階では、まずは商品・サービスの存在を、消費者に認知してもらう為の対策が必要です。
感情段階
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
消費者が商品・サービスを認知した後は、消費者の感情が動かす必要があります。
感情段階では、消費者に商品・サービスに興味を持たせたうえ、「欲しい」という欲求につながる感情を刺激する対策が必要となります。
そのうえで、消費者が行動に移すまで、その商品・サービスを記憶に留めてもらうような対策も施す必要があります。
行動段階
- Action(行動)
欲求が記憶されることで、購買という行動に移ります。
「欲求」と「記憶」が生まれれば、後日買い物に出かけた際や、インターネットで再び出会った時に、購買という「行動」につながります。
まとめ
プロモーション手段等が、(AIDAMの法則等が示す)消費者のどの段階に作用するものか考えることで、より効果的なマーケティングが可能となります。
近年では、上述の「AIDAMの法則」は、Memory(記憶)を省略して、Action(行動)の後にSatisfaction(満足)を加え、消費者の再購入を意識した「AIDAS」という概念も生まれています。
また、インターネットの普及による、情報検索の容易性と共有化を踏まえ、Desire(欲求)Memory(記憶)を省略して、Search(検索)に代え、Action(行動)の後にShare(共有)を加えた「AISAS」という概念も生まれています。
ぜひ、こうした消費者行動分析を上手く活用して、商品・サービスを消費者に訴えるための対策を検討してみて下さい。