ビジネスモデル(基礎編③) ~基本パターンの解説~

ビジネスモデルには9個の基本パターンがあります。
基礎編②では「広告、フリーミアム、プラットフォーム」を解説しました。

今回は、「金融、メンテナンス、ライセンス」を解説します。

←基礎編①(販売、代行、小売)

←基礎編②(広告、フリーミアム、プラットフォーム)

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金融モデル

金融モデル イメージ

解説

預金、保険・投資商品等の金融商品でお金を集め、集めたお金を他の会社に融資したり、投資することで、利子や配当等を対価として受け取り収益をあげるビジネスモデル

一番身近な例としては、銀行がこのビジネスモデルに該当します。その他、お金でなく事務用品等を貸し出すリース会社もこのビジネスモデルといえます。

会社等へのお金の出し方は、大きく分けると、「元本返還義務のある融資」と「元本返還義務はない株式投資」に分けることができます。

対価として受け取る利子や配当は、通常リスクに応じて増加します。
例えば、経営が安定してない会社への融資は利子率が高くなることが多く。また、ベンチャー企業は失敗する可能性も高いので、IPO(株式公開)等により株価が10倍以上になることを期待して投資されます。

なお、このビジネスモデルの収益は、「(融資の利子)―(預金口座名義人に支払われる利子)」や「投資信託の場合における信託報酬」等となります。

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、いかに多くのお金を集め、安全な会社やリスクのある会社等をうまく分散しながら、融資(投資)できるかが重要です。

特にお金を一定以上集めることは重要で、大きなお金であれば、融資・投資分野を分散することで、安定的な収益を得られる可能性が高くなります(もちろん、分散投資にはそれなりの専門知識が必要です)。

また、お金の量が多ければ多いほど、収益も上げやすくなります。
例えば100億円を利回り1%で回せば1億円となるが、10億円だと1,000万円にしかならず、一定以上の収益をあげるためにリスクを取らざる得なくなります。

具体例(金融モデル)

  • 銀行が、個人から預金口座でお金を集め、他の会社にお金を融資して、利子を得る
  • 投資ファンドが、投資商品を販売して個人からお金を集め、投資リターンから信託報酬を得る

メンテナンスモデル

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解説

競合商品と比較して安い(または無料の)商品・サービス本体をユーザーに販売したうえ、本体に必要な消耗品、パーツ、サポートを継続して販売(メンテナンス)することで、収益をあげるビジネスモデル

一番イメージしやすい例としてプリンター本体を比較的安く販売し、専用インクを継続して販売するといったものがビジネスモデルに該当します。

その他にも、コーヒーマシーン本体を安く販売して専用のコーヒーカプセルを継続して販売する等が有名です。

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、商品・サービス本体を競合商品・サービスよりも安く提供しつつ、継続して使用してもらう仕組みがあるかが重要です

特に、使用してもらい、消耗品・パーツ・サポート等を継続してもらうことが重要です。なぜなら、商品・サービス本体を安くしている分、その後の継続利用がない場合、赤字となる可能性も十分にあるからです。

具体例(メンテナンスモデル)

  • 歯ブラシ会社が、電動歯ブラシ本体を安く販売し、専用のブラシヘッドの替えを継続して販売することで対価を得る
  • カミソリ会社が、カミソリ本体を安く販売し、替え刃を継続して販売することで対価を得る

ライセンスモデル

ライセンスモデルイメージ

解説

独占的に使用できる権利(特許や著作権)を他の会社等やユーザーに使用許可を出す代わりに、ライセンス料等を対価を得て収益をあげるビジネスモデル

イメージしやすい例として、コミック会社が版権を持つ人気キャラクターを映画製作会社に提供してライセンス料を得るとったものがこのビジネスモデルに該当します。

このモデルの特徴としては、ライセンスを譲渡しない限り、基本的に自身はライセンスを保持したままです。

さらにライセンスの使用許可には、1会社から多額のライセンス料をもらい排他的使用(その1会社以外へは使用を許可しない)を認めるか、複数の会社からライセンス料をもらうか選択できます。

成功するためには

このビジネスモデルで成功するためには、他の会社等が使用したいと思う発明(特許等)やキャラクターを創作したうえ、しっかり権利として確保することが重要です。

キャラクター等の著作権は、基本的に制作した時点で自動で認められます。
しかし、先進的な発明は、特許として申請しなければ、模倣されても文句を言えません(最悪の場合、模倣した相手が特許申請して、ライセンスを獲得する可能性もあります)。

ライセンスビジネスは、一度画期的な発明をすると、うまくいけばそのライセンス販売だけで大きな収益を生み出すことができます。
ただし、ライセンスの悪用が横行するとライセンス自体の価値が低下するので、ライセンスの価値を維持するため、無断利用に対する対策をしっかり施す必要があります。

具体例(プラットフォームモデル)

  • 株式会社ポケモンが、ポケモンのイラストを使用した文房具の販売を許可することで、ライセンス料を得る
  • システム会社が、特許を取得したシステムを他の会社に使用させることで、ライセンス料を得る

他のビジネスモデルのパターンはコチラ

基礎編①(販売、代行、小売)

基礎編②(広告、フリーミアム、プラットフォーム)

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