社会起業家とは 通常の起業家と何が違うの? ~20代、30代で社会を変える~

「社会起業家」が、通常の起業家と何が違うかご存知ですか?

今回は、「社会起業家」の定義から具体例まで、通常の起業家と何が違うのか詳しく解説していきます。

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社会起業家とは (通常の起業家との違い)

社会起業家の定義

一般的に「社会問題に対して、革新的な(既存の解決法より効果的かつ効率的な)解決法を社会全体にもたらす人」と定義されます。

なお、革新的な解決法を社会全体に提示するために、新たな団体・会社等を設立する人だけでなく、組織内で革新的な解決法を提示する人も含まれます。

社会起業家の成功の尺度、起業形態

通常の起業家の成功の尺度が、「会社等の利益と自身の報酬の高さ」であるのに対して、

社会起業家の成功の尺度は、革新的な解決法で、社会全体に与えた効果の高さとなります。

一般的にNPO(非営利団体)、市民団体等を通して社会に影響を与えることが多く、また政府機関等に勤める人が行う場合も多くなります。

また、上記のように社会起業家が設立するのは事業型NPOが多いと思われていますが、社会起業家のもたらす解決法によっては、「事業の成功=社会貢献や変革」であるため、通常の株式会社といった事業形態をとることもあります。

社会起業家の歴史

「社会起業家」と言う言葉自体は、1970年代前後に、ロバート・オウエン著「社会運動の社会学」といった社会変革を扱う文学の中で使用され始めました。

その後、社会起業を支援する非営利組織アショカの創立者であるビル・ドレイトン等の活躍から社会起業という言葉が広まることとなりました。

「社会起業家」と言う言葉自体は、上記の通り1970年以降にできた言葉ですが、歴史上、社会起業家の定義にあてはまる人物は多く存在します。

例えば、初めて看護学校を設立し、現代看護の礎を築いたナイチンゲールは、社会問題への革新的な解決をもたらした社会起業家といえるでしょう。

現代の福祉、学校、公共機関のサービス等の礎を築いたのは、まさにこうした社会起業家の存在であったと言えます。

社会起業家の実例

具体例

例えば、「ビッグイシュー」の活動はいわゆる「社会起業」だとされています。

ホームレスの方が有名人の表紙の雑誌「ビッグイシュー」を売っている光景を皆さんも見たことがあると思います。

あの販売代金はホームレスの自立支援に使われています。また、ホームレス状態に陥った人が路上販売を通して人との関わりを持ち、ホームレス生活を脱し、自立していくことが事業の目的です。

すなわち、ビッグイシューは、有名人の協力を基に雑誌を作成して、それをホームレスに販売させるという方法(革新的な解決方法)で、ホームレスが社会復帰できないという課題(社会問題)を解決し、ホームレスの自立・社会復帰という効果を社会にもたらしたといえるでしょう。

社会起業家に求められているもの

ある意味では、通常の起業家も、社会起業家の定義に当てはまります。

例えば、Googleの検索システムが社会全体にもたらした影響は、多くの社会問題を解決したと言えます。
(例えば、図書館に通えない人が調べものをできないという問題に対して、調べものを簡単にできるようにした等)

上記のように、成功している多くの会社は、社会のなんらかの課題を解決しており、その対価として利益を得ていると言えます。

では、社会起業家と呼ばれる人は、通常の起業家と一体何が違うのでしょうか?

一番の違いは、

社会的課題はあるのだが、それを解決しようとすると、対価の採算が合わない、収益がでないと考えられる領域、市場のルールが適用しづらいと考えられてきた領域を事業とすること

であると思います。

例えば、領域として以下のようなものが考えられます。

  • 障がい者、シングルマザー、ニート等の就労困難層を労働市場と結びつける
  • 貧困層等の生活向上
  • 環境問題の解決
  • 開発途上国等の地位の向上

特に環境問題等は、フリーライドが可能であり通常の事業の仕組みでは、十分に対応しきれず、また行政の施策も十分に成果を出せていない領域もあります。

そのような解決されず取り残された領域の問題に対して、革新的な解決法をもって仕組み(ビジネス)を設計する起業家は、まさに「社会起業家」と呼ばれるのではないでしょうか。

社会起業家を目指すには

「社会起業家」と呼ばれるには、上記の求められていることに応える必要があります。

つまり、「社会起業家」を目指すならば、

  1. 既存のビジネスや行政が十分に機能していない領域の社会問題を抽出
  2. その領域の社会問題を解決する革新的な手法を生み出す
  3. 生み出した解決法を実践する

といったステップが必要となります。言葉にすれば単純ですが、今まで十分に機能していない領域であるため、その解決法を生み出すことはかなりハードルが高いと言えます。

しかしながら、だからこそ、「社会起業家」に対する期待は、日本国内はもちろん世界的に高まってきており、もし革新的な解決法を生み出すことができれば大きな名声を得られるでしょう。

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