証券アナリスト試験対策 ~合格に向けた勉強法~

証券アナリストという資格を知っていますか?

金融機関に勤めている方なら一度は聞いたことがある資格かと思いますが、金融のプロを目指す方は、取得が必須と言われている資格となります。

また、株式投資等を考えている方が知識を得るために便利な試験でもあります。

今回は、そうした証券アナリスト試験について紹介するとともに、試験合格に向けた対策・勉強法を紹介します。

証券アナリストの資格や試験制度について、知りたい方は

(参考)証券アナリスト、試験までのステップ

をご参照ください

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証券アナリスト試験は難しい? 合格は簡単!?

証券アナリスト試験は、一言でいうならば、

勉強する内容は難しいが、合格だけなら簡単な試験

といえます。

試験勉強を始める前に、上記のことを知っておくことはとても重要です。

なぜなら、テキストの内容が難しく、途中で挫折してしまう人が多いからです。

しかし、次のデータを見て下さい。

合格率は、だいたい50%前後となっています。つまり受験者の半分は合格します。

しかも、不合格者の中には、明らかに勉強していない人もいるため、勉強した人の合格率はもっと高いと言えるでしょう。

そして、試験が合格しやすいといえるポイントは、

  • 合格最低点が低い
  • 過去問と似た問題が多く出る

1点目の合格最低点は、約5.5割~6割で合格可能となっています。

2点目について、過去問と似た問題はだいたい半分近くでます。

つまり、過去問対策+αで合格できる試験となっているのです。

以下、1次試験を念頭に試験対策について解説します。

合格に向けた試験対策(勉強法)

上記のとおり、試験対策の基本は、過去問対策となります。

1次試験は、3科目(経済、財務分析、証券分析とポートフォリオ・マネジメント)に分かれており、試験日は年2回受験機会があります。

正直3科目同時に受けるのは厳しいので、

春試験(4月)に、経済、財務分析

秋試験(9月)に、証券分析とポートフォリオ・マネジメント

を受けるのがおすすめです。

「財務分析」は(特に簿記をお持ちの方は)比較的理解しやすくなっており、ボリュームも少ないので、「経済」と併せて、初めに受験することをおすすめします。

「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」はボリュームが多いので、1科目に集中して受けるほうがいいでしょう。

そこで、私が実際に実施した勉強法を紹介しますので、参考にしていただければと思います。

①テキストを一通り流して読む

テキスト量は多く、内容も難しいので、挫折しないように気を付けましょう。
内容はわからなくても構いません。

過去問に挑戦する前に、ざっと流れを掴むことが重要です。

正直、テキストの内容を1回読んで理解できる人は、よほどの天才でない限り、基本的にいないと思いますので、わからなくても安心してください)

②過去問に挑戦

過去問は、証券アナリスト協会のHPからダウンロード可能です。

どのような問題が出ているか、まず把握することが重要です。
わからなくてもいいので、一度全部解いてみましょう。

第1問~第4問(「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」は第6問)まであり、各問ごとにテキストの範囲が明確に分かれています。

例えば、「財務分析」の第3問Ⅲは、テキスト第8回(株式価値評価モデル)から出題されるといったように、

問題番号によって、出題テキスト(第●回)が決まっています。

③過去問の解説を見ながら、テキストを読む

解けなかった問題の解説を見て、解き方を確認しましょう。

そして、解き方を確認したら、テキストの出題箇所を読んでみて下さい。おそらく、最初に読んだ時よりも理解が進むはずです。

ただし、ここでもすべてを理解するのは難しいので、概念と解き方を覚えることに集中してください。

一度、過去問を解くと、各テキストの役割(何を解説しているのか)の理解も進みます。

④複数の過去問を同じように挑戦

過去問は複数登載されていますので、直近から2~3年分(合計4~6試験分)程度、解きましょう。

類似の問題が出題されているので、定番問題の知識の定着、また周辺知識の獲得にもつながります。

以上のステップで、おそらく合格可能なレベルになっていると思いますが、合格率アップや知識の取得に向けて、余力があれば、再度すべてテキストを読んでおきましょう。

上記、実施する際のポイントは、解き方やパターンを覚えてしまうことです。

また、6割取れば合格できる試験なので、わからない問題があっても気にしないことも重要です。

1週間で合格する勉強法

1科目毎、1週間で合格することも可能です(さすがに3科目1週間は厳しいと思っております)。

その場合、以下の流れとなります。

1日目

テキスト第1回目~第4回目まで流して読む

2日目

テキスト第5回目~第8回目まで流して読む

3日目

1試験分の過去問を解く、解説で解き方を確認して、各テキストの出題箇所の内容を確認

4日目~6日目

別の過去問をそれぞれ解き、3日目と同じく、解き方を確認して、テキストの出題箇所を確認

7日目

出題の多い分野のテキスト(例えば、「財務分析」であれば、第7回「財務諸表分析の基礎」等)をざっと流し読み

試験勉強を始める前の人は、イメージしにくい部分もあったかと思いますが、「証券アナリスト試験」は、過去問を解いて勉強すれば、そこまで難しくない試験です。

ぜひ、挑戦してみ下さい。

(参考)証券アナリストとは、試験までのステップ

そもそも証券アナリストとは

証券アナリストとは、公益社団法人「証券アナリスト協会」が認定する資格の一つで、日本の金融業界で、金融のプロとして活動するためには必須の資格と言われています。

また、証券アナリスト協会によると、

証券アナリストとは、「企業の“未来予想図”を描く人」としています。

以下、証券アナリスト協会の説明です。

企業とは、モノやサービスの生産・提供によりお金を稼ぐ、という経済活動を行う主体ですから、その未来予想図というのは何かといえば、ズバリ、将来の業績予想です!!

証券アナリストは、企業が公開している決算書などの情報に基づいて、高度な専門知識や分析技術を駆使し、企業の未来を予想するのです。

そこで必要となる高度な専門知識や分析技術のスキルが一流だと太鼓判を押すのが、『証券アナリスト資格』です

証券アナリストのスキル活用例

以下、証券アナリスト協会で紹介されている、スキル活用例となります。

投資するべきかの判断

株式投資など、その企業に投資するべきかの判断をする時です。将来的にも順調にお金を稼いで経営も安定している企業であれば、投資先として有望となり、投資のリターンが期待できることになります。証券アナリストは、通常、企業の業績予想のほか、将来の株価予想も提供しています。

企業買収などの戦略

企業に投資するという意味では、株式投資だけに限らず、例えばその企業をまるごと買収するM&A(企業の合併買収)、企業に出資の形で資金を提供する投資ファンドなども、“企業の未来予想図”に従って戦略を練ります。

証券会社や資産運用会社の株式アナリスト業務

個別株式銘柄の評価・選定を行う際に、企業の財務諸表等を分析して収益性や成長性を評価するスキルが求められます。 CMA®資格の取得を必須としている先は少なくありません。

資産運用会社等における運用業務(ファンドマネージャー)

株式や債券ポートフォリオの組成や個別銘柄の売買判断を行う際には、経済分析や証券分析(個別銘柄分析)、ポートフォリオ管理のスキルが求められます。ここでもCMA®資格の取得を必須としている先は少なくありません。

一般事業会社における財務管理業務・IR業務

一般の事業会社においても、資金調達(コーポレート・ファイナンス)を通じた企業価値の向上が求められており、こうした業務のほか、証券会社のアナリストと対峙するIR活動においても、CMA®プログラムで学ぶ証券分析・財務分析の知識が役立っています。M&Aにおいて、企業や事業の価値を評価するに際にも、活用されています。

証券アナリストの資格を得るには

証券アナリスト試験は1次レベル、2次レベルに分かれており、2次を受けるには1次試験の合格が必要となります。

また、試験を受けるには、まず講座を受講する必要があります。

証券アナリスト 第1次レベル講座(3科目) 受講
コスト:3科目一括で55,500円(消費税込)※
※勤務先等が法人会員であれば割引あり

証券アナリスト 第1次レベル試験(3科目) 合格
実施時期:4月、9月(変動あり)

証券アナリスト 第2次レベル講座 受講
コスト:52,500円(消費税込)

証券アナリスト 第2次レベル試験 合格
実施時期:6月

実務経験3年で会員手続き、証券アナリストを名乗ることが可能

なお、講座受講とは、講義等を受ける必要はなく、テキストが送られてくるだけです。

なお、各試験を受けることができるのは、講座受講の翌年度となります。

例)

2016年(6月~1月) 第1次レベル講座受講

2017年(4月、9月) 第1次レベル試験の受験が可能

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