前回の記事では、事業計画(ビジネスプラン)策定の必要性とポイントの紹介とともに、事業計画に記載すべき内容(項目)を紹介しました。
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事業計画(ビジネスプラン)の策定の必要性とポイントについて
今回は、事業計画(書)に記載すべき具体的な内容を詳細に解説していきますので、これからビジネスアイディア等を具体化しようとしている方は参考にしていただければ幸いです。
目次
事業計画書に記載すべき項目
前回の記事でも紹介したとおり、表紙・目次を除くと、事業計画には以下の項目を記載するのが一般的です。
- ビジネスプラン要旨(サマリー)
- 会社概要・経営理念
- 経営陣の経歴と担当業務
- 製品・サービスの概要とビジネスモデル(収益の仕組み)
- ターゲット市場、成長性
- 今後の経営戦略、分野別戦略
- 財務計画
- 事業リスクとリスクへの対応(コンティンジェンシープラン)
それでは、上記の8つの項目について、具体的にどのような内容を盛り込むべきか紹介していきます。
事業計画書の具体的な内容
①ビジネスプラン要旨(サマリー)
以下の②~⑧をまとめたものです。投資家等が簡単に事業の全体像が把握できるように設けられた項目となります。
ここで事業の魅力を上手に伝えられないと、以下の②~⑧の項目を読んでもらえない可能性があります。
そのため事業の全体像をシンプルかつ魅力的に伝えることがポイントです。
②会社概要・経営理念
【会社概要】
会社代表者名、住所、連絡先、URL、設立(予定)年月等の基本的な情報を記載するとともに、株式会社であれば、発行済株式数、授権資本、主要株主等、また、従業員数や主要取引先等を記載します。
【経営理念】
会社およびその事業の理念を記載します。具体的には、なぜその事業を起こしたいと思ったのか(起業動機)、その事業が社会にどのような利益をもたらすのか等の社会に対する使命を書くことがポイントです。
③経営陣の経歴と担当業務
投資家は、どのような人物が経営を行うかを重点的に確認します。そのため、事業を行う当たり、経営陣の強みを記載する必要があります。
具体的にどのような実績を上げてきたのか、業界にどの程度暗しいのか、経営能力があるか、技術や開発力はあるか、投資家が資金を預けるに値する実績を記載するのがポイントです。
④製品・サービスの概要とビジネスモデル(収益の仕組み)
どのような製品やサービスを提供するのか、どのようなビジネスモデルで儲けるのか、またどのように事業を拡大させていくのか、画像や図を使用しながらわかりやすく記載しましょう。
製品・サービスを購入する顧客を明示したうえ、そのうえで顧客のどのようなニーズを満たすのか、自社の製品・サービスは競合と比較して、どのような優位性・差別化があるのか(またそれらを維持する仕組みがあるのか)といった内容を、きちんと説明することがポイントです。
⑤ターゲット市場、成長性
顧客(ターゲット)の属する現状の市場規模と成長率、5年後の市場規模予想など、ターゲットとなる市場がいかに魅力的かを記載します。
その市場が拡大する要因を記載するのがポイントです。そのうえで、その市場の新規参入者・競合の登場や代替品についての予測とそれに対する対抗手段も記載しておくのが望ましいでしょう。
⑥今後の経営戦略、分野別戦略
製品・サービスの競争優位性および持続性ならびに事業の発展を支える経営戦略、分野別戦略を記載します。
具体的には、ターゲット市場の拡大とともに、自社の製品・サービスのポジショニングマップ(競争優位性の位置づけ)に基づき、どのように顧客を獲得・維持するのか、また事業をどのように発展・拡大させていくのかを記載するのがポイントです。
⑦財務計画
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書等の財務諸表と、要因計画書、設備投資計画書、資本政策の5年分の計画を記載します。
財務計画については、その他にも重要なポイントが多く存在するので、次回また詳しく記載します。
⑧事業リスクとリスクへの対応(コンティンジェンシープラン)
事業展開において想定されるリスクについて、財務計画上の前提条件にどのようなインパクトが考えられるか記載します。
また、そうしたリスクが顕在化した場合に、経営陣はどのように対応するのか、追加出資が必要性等について記載します。
最後に(事業計画書の書く順番)
簡単ですが、事業計画書の各項目をどういう順番で書いていくか紹介します。
まずは②から書き始め、順番に⑧までを書き、最後にそれらをまとめた①を書くのがポイントです。
それに表紙と目次を付ければ、立派な事業計画書の完成です。
ぜひ、上記内容を参考にしながら、あなたのビジネスアイディアを事業計画書という形あるものにしてみて下さい。