スペインのお金持ち ~ZARA創業者 アマンシオ・オルテガ~

アマンシオ・オルテガという経営者をご存知でしょうか?

知らない人も多いと思います。
しかし、ファッションブランドの「ZARA」を知っている人は多いのではないでしょうか?

今回は、「ZARA」で知られるインディテックス社の創業者であり、少しの間ですが世界一のお金持ちにもなったアマンシオ・オルテガについて紹介していきます。

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アマンシオ・オルテガの経歴

ZARA設立まで

アマンシオ・オルテガ氏は、1936年にスペイン北部のレオンというところで、鉄道作業員の父親と家政婦の母親との間に、5人兄弟の末っ子として生まれました。

父親の転勤で一家はコルーニャ市に引っ越し、小さな社員宿舎で過ごすこととなりますが、決してお金に恵まれた生活ではなかったようです

13歳の時から地元の縫製店で下働きを始めましたが、

1963年(約27歳)には縫製店を辞め、部屋着と下着の販売店「GOA Confecciones」を立ち上げました。

アマンシオ・オルテガ氏は、ここで生産から物流、販売の全てをまかなうシステムを初めて導入し、低コスト化に成功したとされています

なお、販売店の「GOA」は、一家の名字Ortega Gaonaから付けたものとなります。

ZARA設立後

1975年(約39歳)には、「ZARA」1号店をオープンしました。

そして10年後には、38店舗(スペイン国内)を展開し、企画・物流・販売といったZARAのアパレル事業を統括するインディテックス社を設立しました。

1998年(約62歳)には、海外の1号店をポルトガルにオープンし、その後フランスやアメリカ、メキシコやサウジアラビア、日本に至るまで進出を遂げました。

ZARAの勢いはとどまるところを知らず、世界46か国・531店舗まで広げ、世界的なブランドとして定着することとなりました

なお、2011年(約75歳)には、インディテックス社の社長の座をパブロ・イスラに譲りましたが、今でもインディテックス社株式の多数を保有しています。

短い間だが、世界一のお金持ちに

アマンシオ・オルテガ氏は2015年10月23日の数時間あまりですが、なんとあのビルゲイツ氏を抜いて「世界一のお金持ち」となりました

資産に占める株式の割合も多いため、株価の変動等で資産も上下するため、1位だったのは数時間だけだったらしいですが、世界一の大富豪となった時の資産総額は798億ドルを記録し、ビル・ゲイツ氏の781億ドルを上回ったようです。

アマンシオ・オルテガの人物像・成功の秘訣

人物像

アマンシオ・オルテガ氏は、10代から働き始めて、一代で世界一のお金持ちとなった努力家でもあります。

生産から流通、販売をすべて一括して行うシステムを確立し、ZARAというブランドを世界的なブランドへと発展させたアマンシオ・オルテガ氏ですが、

こうしたお金持ちには珍しく、非常に控えめな人柄で、テレビや雑誌などのインタビュー等にもなかなか応じないという一面を持っています

一方で、何よりも現場主義であり、社長室にもこもらずに従業員とともに仕事をしているのが好ましいという一面を持っています

記者が取材のためにZARAの工場を案内されている際に、他の従業員と仕事をしているアマンシオ・オルテガ氏がいたというエピソードがあるくらい、非常に職人気質でだったようです。

また、毎日同じコーヒーショップを訪れ、ランチは従業員と一緒に会社のカフェテリアで食べることも多いそうです。

(出典)www.vogue.co.jp

成功の秘訣

ZARAが急成長した背景として、数多く高価なブランドが存在する中で、

比較的安価でトレンドの服を購入できること

と言われています。

1号店の創業当時にも、セーターをわずか500ペセタ(日本円で約2650円)の安さで販売しており、それを聞きつけた大学生たちがこぞって隣町から買いに来たというエピソードもあります。

それができたのも、他のブランドがコスト削減のために工場を中国等に移すなか、ZARAは工場をベースであるスペイン近くに残したのです。

これによりトレンドをいち早く取り入れた服を生産でき、また、すぐに販売店に並べることができます。

「ZARAに行けば、トレンドの服を手に入れることができるという」価値観を顧客に与えたZARAの戦略は見事に当たり、大きな成長を遂げることとなりました

なお、ZARAは今でも、週に2回新しいアイテムを入荷することは有名です。

まとめ

世界の大金持ちを見ていますと、革新的な技術、特殊な才能により成功しているケースが多くなります。

例えば、

  • ビル・ゲイツ氏のようなウインドウズ(OS)という革新的な技術
  • ラリー・ペイジ氏のような検索システムという革新的な技術
  • ウォーレン・バフェット氏のような天才的な投資の才能

そうした革新的な技術等でなく、また高級ブランドでもなく、比較的安価な価格の洋服を販売することで、世界一のお金持ち(短い時間だが)となったアマンシオ・オルテガ氏は、

ビジネスは、どのような分野であろうと、事業の戦略で大きな成功を収めることができる

こと証明してくれています。

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