東京ディズニーリゾート(TDR)の入園者数は、2013年以来、年間3000万人以上となっています。
今回はそんなTDRの稼ぎ方から、テーマパークのビジネスモデルについて解説していきたいと思います。
東京ディズニーリゾートの稼ぎ方
TDRが入園者に提供する価値とは
TDRが入園者(ゲスト)に提供しているものは、大きく3つあります。
- アトラクション、パレード・ショー、パークの雰囲気、キャストのもてなしといったサービス
- パークのオリジナルグッズ
- パーク内で提供される飲食
1.サービスについて
TDRは、テーマパーク事業として、1983 年に米国外で初のディズニーテーマパークとなる 「東京ディズニーランド」 を開園し、 2001 年には「海」をテーマとした「東京ディズニーシー」を開園しました。
夢が叶う場所とし て、多様なテーマと楽しさを持つ個性的なアトラクションが集まり、パレードやショー等のエンターテイメントといったサービスが提供されています。
アトラクションやパレード・ショー以外にも、ディズニーのキャラクター達と出会えたり、テーマや沿った建物等が立ち並び、インスタグラム等のSNSに投稿するための写真を撮る等、ゲストの思い出となる仕組みが様々な箇所に施されています。
ゲストに「夢や幸せ(ハピネス)」 を提供することをサービスの根幹としており、それを支えるキャストの「ホスピタリティ」もサービスの一環として進化させています。
2.グッズについて
ご存知のとおり、ディズニーキャラクターのデザインされた人形やお菓子等、様々なアイテムが販売されています。
また、ダッフィー等に代表されるTDRでしか買えない商品も数多く揃えており、そうした商品を期間限定で販売したり、新商品を発売することで、入園者の集客効果にも好影響を与える仕組みが仕込まれています。
また、ミッキーの耳がついた帽子といったパーク外であれば身に着けることのない商品も数多く揃えています。
これらを販売することで、ゲストがパークの雰囲気をより楽しめることに一役買うと共に、ゲストの一体感を強めているといえます。
2.飲食について
ディズニーキャラクター達の形をした食べ歩きできるフードから、ショー等が見れるレストラン等、パークの雰囲気に沿った飲食ができるように施されています。
TDRは利益をどう得ているか
TDRの運営しているオリエンタルランドによると、
入園者は一人当たり 約11,600円を使用しているとのこと(2016年)
そして、その内訳は以下となっています。
①チケット代:約5,250円
②グッズ代 :約4,100円
③飲食代 :約2,250円
上述の入園者に提供している価値と、各内訳の代金は、それぞれの対価となっています。
(例:サービス=チケット代)
特筆すべきは、グッズ代はチケット代に近い金額が支払われている点にあると思います。
グッズ代をここまで引き上げている要素として大きいのが、「①パークで着用するグッズ※」と「②パーク限定グッズ」であると思います。
※ミッキーの耳がついた帽子等のパーク外では通常は身に着けないであろう商品
特に①は、パーク外で買える通常の商品よりも値段が高く、使用用途も限られるにも関わらず、パーク内で身に着けている人が多数存在します。
これは、TDRがそうしたグッズを身に着けてパークを楽しむという価値をゲストに提供していることで成り立っており、そうしたキャストを含めたそうした雰囲気を作る努力の賜物といえます。
また、②については、ゲストの購入意欲を煽るとともに、パークに来れない人のお土産といった意味でも大きな販売額を誇っていると思われます。
上記のゲストが支払う金額とは別に、TDRには別の収入源があります。それは、
企業のスポンサー料
となります。
アトラクションに乗る際に、提供元企業名が表示されているの見たことがある人も多いと思います。
上述のとおり、TDRの入園者は3000万人以上に昇り、もちろんリピーターも含まれていますが、パークの宣伝効果は高いと言えます。
そこで多くの企業が、TDRに多額のスポンサー料を支払い、企業のイメージアップ等をつなげたいと考えており、それがTDRの大きな収入源となっています。
テーマパークのビジネスモデル
TDRと同様に、テーマパークが顧客に提供するものは大きく次の3つである。
- アトラクション、ショーはもちろん、テーマパークの雰囲気を含めたサービス
- テーマパークで購入できるグッズ
- パーク内の飲食
中でも、一番重要なのは1のサービスといえ、顧客がテーマパークに来場したくなる仕組みはもちろん、リピーターとして再度来場したくなるような「楽しさ・思い出」を提供することが重要といえます。
また、グッズや飲食も、サービスで顧客に提供したパークの雰囲気を壊すようなものであってはならず、むしろサービスを補完するようなものであることが望ましいと言えるでしょう。
なお、キティちゃんグッズを販売するサンリオのように、2のグッズ販売を主な目的と位置づけ、
グッズ販売促進のためにテーマパーク(入園料等を低く設定した)を運営するといったビジネスモデルも存在します。